愛は惜しみなく与う⑤

「でも、お姉さんもそうだけど、志木さんも志木さんだよね」

「ん?」

よく喋る女やで


「だってさ?鈴ちゃんが東堂を継ぐんでしょ?お姉さんに優秀な執事とかいらないじゃん。なのに志木さんが自ら志願してお姉さんに就くって言ったんでしょ?
おかしいよ。何か弱みでも握られてたんじゃない?お姉さんから解放されてよかったよ」



あんたが言うこと、99%当たってるよ。
あたしに優秀な執事なんて必要なかった。あたしがただ、志木が居な、無理やっただけ。

解放してあげなあかんのも知ってる。

あたしと一緒に落ちていく志木を見たときに、この人はあたしと一緒に居たらあかんって気づいた


ただ一つ


弱みなんか握ってない
志木があたしの側に居てくれたのは



「ただ志木が、優しいから。それだけやで」



志木にはあたしを見捨てることができなかった。ただそれだけや。
だから終わったら、解放するから



「もう戻ろ?そろそろ如月家の御当主とお話しがあるの」


ちょっと関西弁さっきでてしもたけど、気付いてないか?大丈夫かな

不安になり沙織ちゃんをみたが、特に気にした様子もない
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