愛は惜しみなく与う⑤
これはやばいんちゃう?

あたし婚約者の前で話し合わせれる気がせん。
あれ?でも…

如月冬馬はサトルの知り合いなら、あたしが鈴のフリしてるのも知ってる?

いや、それはわからんか


ちょっと、まずい状況



知られてる方が都合がいいかもしれへん


逆に知られてなかったら…



毎日電話なんて、やってられへんし。知らん奴を好きなフリもできひん。

政略結婚だと思ってたから、そこに感情は二の次。

やから大丈夫や思ったけど


鈴と婚約者は、親しくなっていたらしい



こりゃやべぇ!!!



と、とりあえず頭が痛くなってきた


いまだにペラペラ喋る沙織ちゃんを軽く無視して志木の元へ戻る


あたしのゲッソリした顔をみて、少し眉をひそめた志木


「大丈夫ですか?」

「耐えたけど、不快」


友達にあたしが邪魔やって言うくらい、あたしを嫌ってたんかな


気が重い

あたしが鈴を好きになったのは



あたしが外の世界を楽しみだしてからや。鈴のことを羨ましいと思わなくなって初めて、妹として可愛がれた
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