愛は惜しみなく与う⑤
「似合ってる?」

「あぁ。可愛いよ」

!!!

「か、可愛いまで言わんでええ!似合ってるか聞いたんや!」


不意打ちをくらいテンパってしまう。そんなあたしをただただ泉は、優しく見守っていた


分からないことや疑問だらけで頭はヒーヒーゆうてるけど…少し落ち着いた


泉と2人でベッドに腰をかける

そして泉は話し出した
「あまり時間がないから、全部話そう。これからのことを。俺が何でここにいるかも」



泉はスーツのジャケットを脱いで、あたしの両手を握った



「俺が話すことは、志木さんから聞いたことや、自分の目でここへ来て確かめたことだ。杏も……何かあったんだろ?」


あったよ
いっぱいあったよ
どうしたらいいのか分からなくて、途方に暮れてたところや


「あった。1人じゃどうもできひん」


「うん。俺も。1人じゃここまで来れなかった。でも諦めるつもりもないし、俺はここに勝ちに来たから。杏を取り返しに来たから。」


だから


泉はそう言って、あたしの頭を抱えるように抱きしめた
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