愛は惜しみなく与う⑤
そして次々あたしの前に母上は人を連れてくる。本格的に、経営に加担するのが見えてきた。

あと2年もない

実際なんとでもなるやろうけど、鈴がしてきた勉強に比べたら、あたしが学んだのはせいぜい喧嘩の仕方と、自分の身の守り方。

他はほぼ知らん

けどやらなあかん

志木がおらんかったら、絶対無理やったな



1時間か、2時間か
分からへんけどえらい長いこと色々な人と話したと思う

そろそろ疲れてきた


「休憩挟みますか?」

「うん…作り笑顔しすぎて、口の端切れそう」

いつもこんなニタニタ笑ってることなんてないからさ。口周りがしんどくなってきた

喉も乾いたな


てゆうかトイレ行きたい


「トイレどこ?」

「あの通路を行った先の扉から出て、右まわりに歩いてるとあります」

「ちょっと行ってくる」

「私も行きます」

「トイレにまでついてくんの?って思われるし辞めとき」
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