愛は惜しみなく与う⑤
番犬達
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「暇だなぁ」

「それ何回目だよ。暇ならバイト行ってきたら?」

「それは違う」

「杏がいないのに、杏の家に居るの、不思議だよな」


朔に慧、響は昨日からずっとこんな感じです。隣に座る泉は、相変わらず目を閉じて腕を組んだまま


昨日と構図は全く変わりません


「ねぇ、杏ちゃん実家帰ってるのに、ここに居させてもらって大丈夫なの?」


不安そうな皐月も昨日と変わりません。
まぁ、普通はそうなんですけどね。杏が家を出る前に、ある言葉を言ってしまったんでね。

本人はそんなつもりじゃなかったでしょうけど…


『はよみんなと残りの夏休み楽しみたいから、頑張ってくる!終わったらソッコー家戻ってくるし、待っててな』


ニコニコと皆んなに待っててと言ったもんですからね。


「素直な番犬ってとこですかね」


いつ帰ってくるかもわからない杏を、すぐに会えるように待つ。
ほんと、こういうところを見ると、少し可愛く見えますね。

皐月も、こんなみんな見れるなんて…とやや興奮気味
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