愛は惜しみなく与う⑤
変なことを口走らないように、桜さんの唇にキスをする
求めたら応えてくれる
求めて欲しい、求めて欲しくない
色々な感情がグルグルしている。
わかってるよ。杏ちゃんを好きになる資格も、桜さんを好きになる資格も俺にはない。
分かってるんだ
だけど温もりや、優しさを、自ら手離す勇気がない。
弱いだけ
弱いままなんだ
腕の中で眠る桜さんの寝顔を見る
こんな男の腕の中で、安心して眠ってくれるんだね。ありがとう
ほんと、俺はどーしようもない奴だな
「ごめんね、桜さん好きだよ」
眠れそうにないから服を着る。
帰ろう
泊まったら明日帰りたくなくなるかもしれないからね。
桜さんの一人暮らしのアパートの扉を開けてバイクに乗る
閉じた扉の向こうで桜さんは目を閉じたまま呟いていた
「全部受け止めてあげるのに。臆病でも愛し方が分からなくても……私が与えてあげるのに。それじゃダメなのかな」
夜は肌寒いな
桜さんの本当の気持ちを俺が知るのは、もっと後の話……
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求めたら応えてくれる
求めて欲しい、求めて欲しくない
色々な感情がグルグルしている。
わかってるよ。杏ちゃんを好きになる資格も、桜さんを好きになる資格も俺にはない。
分かってるんだ
だけど温もりや、優しさを、自ら手離す勇気がない。
弱いだけ
弱いままなんだ
腕の中で眠る桜さんの寝顔を見る
こんな男の腕の中で、安心して眠ってくれるんだね。ありがとう
ほんと、俺はどーしようもない奴だな
「ごめんね、桜さん好きだよ」
眠れそうにないから服を着る。
帰ろう
泊まったら明日帰りたくなくなるかもしれないからね。
桜さんの一人暮らしのアパートの扉を開けてバイクに乗る
閉じた扉の向こうで桜さんは目を閉じたまま呟いていた
「全部受け止めてあげるのに。臆病でも愛し方が分からなくても……私が与えてあげるのに。それじゃダメなのかな」
夜は肌寒いな
桜さんの本当の気持ちを俺が知るのは、もっと後の話……
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