愛は惜しみなく与う⑤
そして、その後のことはあんまり記憶にない。気づいたらお腹いっぱいになってて、風呂も入ってて、寝る準備をしていた
もう、こんな時間か
あたしあの後どうしたんやろ
ちゃんと出来てたかな
少し今日は疲れたよ。このまま進んでいくんやと思ったら、少し怖くなった
誰があたしを覚えていてくれるやろうか。
いつか皆んな忘れてしまうんちゃうやろか。
怖い
コンコン
ノックの音
志木かな
さっき眠れるように紅茶を入れにいくってゆうて、部屋から出て行った気がする
志木に甘えてしまう。強くならな。
強くならなって思うのに、まだどうしても怖い。弱いから
こんな中途半端な覚悟じゃ、いつか絶対うまく行かへんくなる。
受け入れな
現実世界に戻ってきたんや。これがあたしの進む道なんやから
どうぞ
ノックの音にそう返して、眠る準備をする。
明日には帰れるかなって思ったけど、このパーティーの余韻で、帰れなさそう。
困ったな
「鈴…」
え?