愛は惜しみなく与う⑤
今日に限っては、田畑が来たらって言うのもあるので、このまま杏様の部屋で寝るつもりでした。もちろん杏様も、そう思ってるんでしょうけど


『は?なに、お前ら一緒に寝てんの?』


朔さんは、画面を覗き込んで言った


「え?うん。ボディガードやしな」

『なんで自分の家にいてボディガード必要なんだよ』


もっともなツッコミですが、今日は私は杏様のそばを離れるつもりはございません


「はは、ほんまやな。自分の家やのになぁ」


笑いながら言ったつもりだったんでしょうけど、その顔や声には、悲しさが混じっていました。
杏様……そんな顔をされたら


泉は気づきますよ


画面を見ても特になにも言わない泉でしたが、確実に気づいたでしょう。


『お前ら、何歳だよ!いい歳の男女が…』


おじさんみたいな事を朔さんは言ってますけど、杏様はきょとんと首を傾げていった


「志木がなんかしてきたら、キンタマ潰すゆうてるから、大丈夫やで?」
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