泣かないデネブと嘘つきの夢
マナはヤヨに会いたかった。
「あんなに一緒にいたのに、わたしはヤヨになにも聞かなかった」
ヤヨを傷つけないためには、どんな言葉を選べばいいのかわからなかった。
「それにね、声も姿も、きっと永遠に覚えておくことはできないと思う」
ヤヨのことをだんだん忘れていく薄情なわたしは、もうヤヨに許してもらえないかもしれない。
「それでも、ヤヨの星、見つけられるかな」
「大丈夫だよ、絶対」
カイがささやく。マナはすこし震えた手で、自分の指をカイの指と絡ませた。
「ねえ、ヤヨはもう、わたしたちに会いたくないかな」
振り向きたくなるのを堪えてたずねると、カイがくい、と首をかしげた気配がした。
「それは、聞いてみないとわからないね」