2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
人生波乱万丈ってもんじゃない。
1.世界が滅んでしまったらしい
散々な人生だった。
少し長いが私の散々な人生の話をさせて欲しい。
私は能力者の名家、葉月家の長女であり、能力者として類稀なる才能があった。
だが、恵まれていたのは肩書だけ。
その才能故に私は女でありながら男として、名家の次期当主になった。家の体裁の為だけに。
幼少期に捨てた女である私。そして来る日の為に修行!修行!修行!の毎日。
プリ◯ュアが観たかった。私は甘いお菓子を食べながら◯リキュアが観たかった!
……でも毎日観させられたのはそんな幼女向けアニメではなく、葉月家直伝能力者講座のDVDであった。
テレビの代わりにずっと観ていた幼少期。幼少期の嫌な思い出の一つだ。
だがこんなことはまだ可愛い方である。
その後だ。私の散々人生は私が歳を取るにつれて加速していく。
初等部から入らされた学校は何と能力者の男子校。ここでも私は完全に女であることを捨てさせられた。この学校は能力者のエリート学校で200年に1度封印が解かれる妖、大厄災を封印できる唯一の者、姫巫女の為の学校でもあった。
しかも全寮制。どの場面でも気を抜くことは名家の次期当主として許されない。女であることがバレるだなんてもってのほかだ。……ストレスでハゲるわ!
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