2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
「神様ー。ちょっといいー?」
朱のことについて神様に相談したくて今は1人だと言うこともあり、声に出して神様を呼んでみる。
「…」
だが、神様からの返事はない。
誰ですか!今日の昼頃に『アナタを私はいつでも見ていますからね!』て言ったやつ!
何故こんなに大事な時に返事をくれない!
「…はぁ」
神様から返事がないことにため息をつく。
文句を言っても仕方ない。相手は神様。きっと私が思っているより忙しい存在。今までも声かけても対応してくれなかったことなんて何度もあった。今日が初めてではないだろう。
今回は諦めよう。
いろいろと問題は山積みで、考えなければならないことはいっぱいある。
朱の2度目の可能性。蒼の涙の意味。私の願いを叶える為にどうやって妖や人間と関わるべきか。
そしてもちろん一番はこの世界を破滅させない為にはどうするべきか、もだ。
せめて誰が私の死に絶望して、どうやってこの世界を滅ぼしたかくらいは知りたいのだが。
「…」
考えようと思えば思うほど頭が回らない。
体力の限界だ。
今日は何も考えずにもう寝よう。
そう思って瞳を閉じた。
『…無傷で帰って来い』
ふと、今朝龍に不機嫌に言われたことを思い出す。
…今の私は明らかに無傷ではない。傷だらけだ。
明日はこんな体だが歩けないことはないのでもちろん龍に約束通り会いに行く。
1日で治る傷じゃないもんね…。
絶対、120%龍に怒られる未来を悟って私は頭を抱えた。
そして結局意識を手放すその瞬間まで龍への言い訳を考えていたのであった。