2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
「と、言う訳で時間がないのでお話はこの辺で終わりにしましょう」
突然私からパッと神様が離れる。そして「では、いってらっしゃい」と微笑んで指をパチンと鳴らした。
え?
疑問に思った時にはもう遅かった。私の周りには黄金に輝く光が溢れ、その光で周りは愚か自分の姿さえも見えない状態だ。
「神様ぁー!?あのねー!?生き返らせるから教えてあげられないってある程度は教えてもらわないとその歪みとやらを見つけられないでしょーが!どうやって探せっていうのよー!」
私は思いっきりその場で叫んだ。先程までは多すぎる情報の処理に追われて何も言えないでいたが今はその情報を少し処理できたので多少は神様に文句が言える。
いや、こんな前向きな文句がよく一番に言えたと思うよ逆に。だって、「何でこんなことしないといけないんだー!」とかでもよかったはずだもん。
『大丈夫。地上でもできうる限りアナタを私はサポートします。よろしくお願いしますね』
神様の姿は見えないが脳に直接神様の声が届く。それはとても不思議で体験したことのない変な感覚だった。
「く、くそー!なんでこうなるのー!」
世界に嫌われて、独りになったはずの私がそんな世界を救う為に何故か生き返ることになった複雑な気持ちを一人で思いっきり叫んだ。
……でも生き直せるならやり直したいことはいくつかある。
その機会を与えてくれた神様に私は少しだけ感謝をした。
…ま、巻き込まれた恨みの想いもあるけどね!