2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
2.夏祭り
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なーにが!
余計なことはするなよ!、だ!
直接言われてませんけどね!言われてないけど目がそう言っていたよね!?
あれから2週間が過ぎた。
2週間前の蒼のことをふと思い出して無性に腹が立ち、ついつい歩いている足に力が入る。
「?紅?お前何怒ってるんだよ?」
「…え。怒ってないけど」
「いや隠すの下手かよ。目ぇ据わってるぞ」
私の隣を歩く武が不思議そうに私に問いかけてきたので私は冷静を装ってそれを否定する。
だが、武はそんな私を変なものでも見るかのような目で見てきた。
感情を隠すのは得意なはずなんだけどな。
今、私と武はあの夏祭りの任務へ来ている。あくまで補助役でだけど。
私たちが担当する祭りはこの地区では有名な大きな神社を中心とした大規模な祭りで、今日は街中が祭り一色となっている。
神社付近は屋台や人でごった返しており、まさに弱い妖が大好きな環境そのものだった。
この祭りの担当者は2人1組の1年生のペアが2組と補助役の私と武で、計6名。
蒼と琥珀はまた別の祭りに駆り出されていた。
この時期はどこもかしこも祭りだらけなので能力者は結構忙しい。
「…」
空を見上げればやっと日が沈み出し、まだ真っ暗とは言えないが、薄暗い。ふと目に入った街の時計を確認すると時計の針は19時半を指していた。
日が沈み、完全に暗くなると特に弱い妖の活動時間が始まる。