2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
4.お土産話でもいかがですか
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あれから私たちは男の子の妖から託された風呂敷の中身をあらゆる人目につく場所に置いていろいろな人に落とし物として拾ってもらった。
私たちが拾ったていで本部に風呂敷の中身を託す案もあったが、それだど下手したら私たちが本来の補助役を放棄して妖を退治したと思われる可能性もあるのでやめておいた。
もし、そう思われたらあとからいろいろな人に小言を言われるだろうし。
そんなことを一生懸命していると、いつの間にか祭りも終わり、私は武と共に寮へ帰宅していた。
祭り自体もめっちゃくちゃ楽しめたし、本来の目的も途中ハプニングもあったが、完璧に遂行できたし、個人的には大満足な任務内容であった。
今日の成果に満足しながらも武と寮の廊下を歩いていると私の部屋の前まで来たので私と武は足を止めた。
「じゃあまたな、紅」
「うん、またね、武」
お互いにいつものように挨拶を交わす。
そして私は武に背を向け、慣れた様子で自分の部屋の扉を引いた。
「おかえり!兄さん!」
するとそこには何故か椅子に座ってこちらに笑顔を向ける朱の姿があった。
あれ?私、朱に会いたすぎて部屋間違えた?
いないはずの朱の姿に疑問を持ちながらも、一度扉を閉めて部屋の番号を確認する。
「…私の部屋だわ」
「…紅の部屋だろ」
書かれている番号に間違いがないことを確認しているとまだ自分の部屋に戻っていなかったらしい武が私と同じように不思議そうな顔をして私の顔を見つめていた。
この際武の存在はどうでもいい。
武はちょっとしたオプションだ。