2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
「…神様、今大丈夫?」
誰もいないと言うこともあり声に出して私は神様に呼びかけてみる。
神様からの返答はもちろん全く期待していない。ここ数週間、いや2ヶ月程神様は必要としている時の呼びかけには答えず、逆にどうでもいい時の呼びかけには答えてくるからだ。
「…」
ほら、やっぱり神様は答えてくれない。
予想通り神様から答えはない。わかっていたことなので特にがっかりすることもなく、気を取り直して私は天井でも見上げてみた。
神様の大馬鹿野郎。
このくらいの文句は許してもらいたい。
それにしても最近神様は本当にあまり私に返事をしてくれなくなった。
前までは結構な確率で私の呼びかけに答えてくれていたのに。
これでは世界の滅亡について神様と情報を共有できないではないか。
神様は本当に私に協力してもらいたいのか。
せめて朱の2度目の可能性くらい話し合いたいのだが。
「はぁ」
考えれば考えるほどいろいろなことが頭を埋め尽くし、私から大きなため息が漏れる。
考えることも大事だし、それと並行して、いやそれ以上に行動にも移さなければならない。
…だからその為にも神様と話して今の状況を一旦整理して、それから…
ぐるぐるぐるぐると、同じような言葉が何度も何度も頭の中を駆け巡る。
そしてその言葉たちは何度も私の頭の中を意味もなく駆け巡っていく内に少しずつ中身のない言葉に変わっていった。