2度目の人生で世界を救おうとする話。前編







ダメだ。
頭が回らない。考える気力がない。
心なしか頭も痛いし、体も重い。


「…あ」


最初こそは今の状況に文字通り頭が痛くなったのだと思っていたが、この症状に心当たりがあった。

この時期にこの感じ。
今までいろいろありすぎて忘れていたがこの体調の不調は…


そこまで考えを巡らせたところで私は座っていられなくなり、そのままソファに力なく倒れた。

これは紛れもなく大体年に一度だけ襲われる夏風邪だ。
しかも私の場合他の季節では一切体調を崩さない分、ここでの体調の崩し方は結構激しかった。


ああ、なんてタイミングだ。


夏休みで人が少ない寮内。学校中ならまだしもこのタイミングではまず私が今ここで力尽きても誰かに気づいてもらいづらい。

しかも先程昼食を食べ終えたばかりの為時刻はまだまだお昼。
次にこの部屋に誰かが訪れるのはいつなのだろうか。

最短でも朱が夕食を誘いにくる今夜だ。

医者に診てもらって、薬をもらって、やっと落ち着く私だが今の状態ではとてもじゃないが1人で動ける気がしない。

なので私は第一発見者が来るまでソファの上で力尽きていることにした。
ベッドのところまで行くことさえも億劫だ。











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