2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
「それでは紅様、お大事に」
私の担当医はそう言ってこちらに軽く頭を下げると葉月家の医師団を連れてこの部屋から退出した。
「さぁ兄さん薬だよ。飲めそう?」
「うん」
「そう。よかった。じゃあ体を起こして?あーん」
「あー」
朱に言われるまま上半身だけ起こして口を開ける。
すると朱はそんな私の口の中に薬を入れた。
「はい。水だよ」
「ん」
それから朱は私の様子を見ながらコップを私の口元まで運んで私に水をゆっくり飲ませた。
何だか普段なら恥ずかしくて嫌がるところだが、頭も回らないし、体もダルいしついつい朱に甘えてしまう。
「あとは着替えだね。ちょっと準備するから待っててね」
私に水を飲ませ終えると朱は一度私の元から離れる。
そして数分後には私の着替えとタオルを持って私の元へ帰ってきた。
「兄さん、バンザイして?」
「…いや、さすがにそのくらいは」
「ほら、いいから」
ものすごく真剣な顔で私の着替えまで手伝おうとする朱に流石に断りを入れようとするがそれを朱は許さない。
ゆっくりと丁寧に朱に服を脱がされ私はサラシだけになってしまった。
さすがにここまでくれば朱に甘えたい気持ちよりも恥ずかしさが勝ってしまう。