2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
2.未来を変える為に
守護者任命式から数日が経ったある日の昼休み。
晴れてはいるが、この時期特有の秋風が吹いており、少々肌寒く感じる中、私は今日もいつものように武の隙を見て龍の元へやって来ていた。
『…そう言えば守護者が正式に決まったんだろ?』
「そうそう。もちろん私が守護者に選ばれたよ」
『そうか。他も前回と変わりなしか?』
「うん。何も変わってないね」
龍と他愛のない会話の中で始まった守護者の話。
龍も私も特に声音を変えることなく淡々と会話を進めていく。
『実力的にそれがやはり妥当なんだな。…忌々しい』
「はは、守護者なんて龍にとっては邪魔でしかないもんねぇ」
前回の…いや今までの守護者たちとの因縁を思い出したのか龍の機嫌があからさまに一気に降下し、私は苦笑いを浮かべた。
龍にとってはただただ永遠に邪魔な存在だよね、守護者って。
守護者がいる限り、龍の封印の元凶である姫巫女に簡単には手が出せない。
姫巫女に手が出せないということは自身が封印され続けるということに繋がる訳で。
私が龍の立場でも〝忌々しい〟と思っていただろう。