2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
どうしたものかな…。
あまりいい状況ではなかったことに私は心の中で大きくため息をついた。
「…」
ふと私の背後の木の上に僅かだが妖の気配を感じたので私は攻撃される前にその場所を見るよりも早くとりあえず大体の場所に火を放つ。
そしてすぐにボウ!と派手に燃え盛る炎へと視線を向けた。
私の行動に対して驚いて妖が攻撃してくるか、姿を見せるかと思ったがそこにはただ派手に燃えている木があるだけで。
「?」
私はそれを見て首を傾げた。
あれ?確かに僅かだったけど妖の気配を感じた気がしたんだけどな。
『急になんだ』
「…妖の気配を感じたから殺られる前に炙り出そうとしたんだけど」
『…ここはお前たち能力者の中心部だろう?そんなにホイホイ妖が入れる場所ではないはずだ』
「んー。そうなんだけどね…。強い妖の可能性があるね」
いきなり私が能力を使ったことに驚いた様子の龍に私は未だに状況が把握できず首を傾げたまま答える。
強い妖が身を隠しているか私の勘違いか。
どっちだ?