2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
『会いたいよ、姉さん』
「ふふ、私もだよ、朱」
突然朱が寂しそうな声で私を〝姉〟として扱ってきたので私も思わず〝兄〟ではなく、〝姉〟として朱に答えてしまった。
『怪我ひとつせずに絶対に無事に帰ってくるって約束して』
「うん。もちろん」
『…明日も電話してね』
「うん」
『おやすみ、姉さん』
「おやすみ、朱」
名残惜しそうな朱の声を最後に電話を切る。
さて、と。
私は机の上にスマホを置いて窓際へ向かった。