2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
もう妖の襲撃は始まっていたのだ。
あんなに意気込んでいたのに大幅に出遅れた!
「…おや、貴方は」
私が暁人の存在に気がついたのだ。
当然暁人も私の存在に気づく。
暁人は私の姿を見ると少しだけ驚いたような表情をした。
暁人は極度の人間嫌いだ。
おそらく私をすぐにでも殺しに来る。
1度目でも私の姿を見るや否や真っ先に殺しに来た記憶がしっかりとある。
ボウ!
私はすぐに暁人に対応できるように両手から火を出した。
来るなら来い。
返り討ちにしてやる。
「物騒な人間ですね。まだこちらは何もしていないのですが?」
私の様子を見て暁人が呆れたように笑っている。だが目の奥は笑っておらずそこからひしひしと人間に対する嫌悪感が伝わってくる。