2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
「それでは紅様。一度食堂へ避難いたしましょう。食堂までは私が付きます」
「…」
教師たちの様子にとりあえずは安堵していると、話し合いを終えた教師陣の中から1人の男性教師が私にそう言い、丁寧に頭を下げた。
生徒をまずは避難させる。
それから実力のある者は教師陣と共に妖に対応をする。それが教師陣の会話から聞こえた教師陣が決めたことだった。
どんなに実力があっても学生のうちは〝見習い〟という立場だ。
だから私でも当然庇護される対象だ。
だが私という存在はいくら生徒であっても、庇護対象外ではないだろうか。
前線で戦える強さも実力もある。
「俺は避難をするつもりはありません。先生方と同じように妖対応をします」
なので私は丁寧に頭をさげる教師に強く自分の意思を伝えた。
「…っ、その必要はありません。まずは避難が最優先です。それからこちらの指示に従っていただいてペアで妖に対応してください」
私の思わぬ主張に男性教師は一瞬だけ表情を歪めたがすぐに冷静な表情で淡々と私にもう一度頭を下げた。
まぁ、そうだよね。
じゃあよろしくとかならないよね。
教師はどんな存在でも生徒を守ることが仕事だからね。