2度目の人生で世界を救おうとする話。前編






怒っている様子の3人に私は「心配かけてごめんね」と謝罪後、今までの経緯を簡単に説明した。

もちろん暁人と対峙したことは省いて、教師陣との会話のところから、だ。



「とりあえず俺は1人で行動する許可を得ているし、担当エリアもあるから避難はしないよ」

「…なるほどな。じゃあ今から俺がお前のペアだ。一緒に行動するぞ」



私の説明を一通り聞き終えた後まずは武が真剣な表情でそう言った。



「いや、攻撃特化型の紅と生徒の探索、保護を優先で動くのなら風の能力者である僕が適任だ」



だが、武の〝ペア〟発言はすぐに口を開いた蒼によって却下された。



「紅と僕、琥珀と武で分かれてペアを組もう。武たちはおそらく手薄になるであろう食堂の護衛に回って」

「…わかった」

「…」



蒼の流れるような的確な指示に武は不満そうに琥珀は特に文句もなさそうに無言で頷く。
私も琥珀と同じで特に不満も文句もないのでただ無言で頷いた。


よくこの一瞬で状況を整理してまとめたと思う。
話の進みが早い。さすが蒼だ。



「じゃあ早速行動を開始しよう」



蒼はそれぞれの様子を見るといつもの胡散臭い笑顔で私たちにそう言った。









< 243 / 296 >

この作品をシェア

pagetop