2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
朱の2度目の可能性について改めて考え直していると、朱は私の体を離して今度は「怪我はないよね?」とくまなくチェックを始めた。
最初こそ慣れているので好きにさせていたが…
「こ、こら!ボタン外さないで!怪我なんかしていないよ!」
朱が服に手をかけたことによって私はそれを慌てて止めた。
「…本当?」
「本当だよ!」
「ふーん。わかった」
少しだけ私に疑いの目を向けていた朱だったが、私の精一杯の主張を聞いて不満げにチェックを終了してくれる。
よかった!
朱は距離感バグりすぎだし、何より私が異性であることをもっと意識してもらわなければ困る!
兄だけど姉なの!
レディーの服は普通簡単に脱がそうとしないものなの!
そう主張したいがここは学校内学寮、しかも今は扉がないのでそんなこと絶対に言えない。
少しでも周りから男であることを疑われるようなことをしてはいけない。
何だ、この呪い。