2度目の人生で世界を救おうとする話。前編




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あれから一年。
あの時から姉さんはもう僕の中で姉ではない。

異性だ。誰よりも大切で最愛の人。
僕の腕の中にいる姉さんが誰よりも何よりも愛おしくて仕方ない。


姉さんは今きっとパニックを起こしている。
今の姉さんには何を言っても響かないはずだ。

だから『ずっと姉でなければいいのにと思っていた』と先ほど言った言葉の真意もきちんと理解できないはずだ。

こんなことを言って抱きしめられて〝異性として好き〟だと言っているようなものだ。

普段の鋭い姉さんなら気付けるはずだ。

それでも僕が相手であることと、今の状況では正常な判断なんてできはしないだろう。


僕に触れられることは姉さんにとって当たり前なのだから。
そしてその当たり前を何年も何年も時間をかけて作ったのはこの僕なのだから。


僕の感情にはまだ気付かなくていい。
それでも僕が弟ではないことを知って欲しい。


どうか僕を異性として意識して。



そう願いながら僕は姉さんをいつものようにぎゅっと抱きしめ続けた。










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