2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
「何、これ…」
人形の彼と手を繋ぎ、宙に浮きながら見下ろす形で学校を見た。そのあまりにも変わり果てた姿に私は驚嘆する。
能力者学校の最高峰、ここは超エリート学校だ。全てが最高峰な訳で人材、設備、どれを取っても右に出られる場所なんてない。
人類最強の場所と言っても過言ではない。
だがしかし、そんな場所が見る影もなく廃れていた。あんなに神々しく綺麗だった校舎は廃墟も同然となっており、人がいる気配が全くない。
まるで死んでいるようだった。
「あー。こうなってしまいましたかー」
私の横で人形の彼がおかしそうに笑う。
私の感覚からしてみればおかしい要素なんてまるでありはしない。
私が死んだ時は全てがうまく行っていた。こんな人類滅亡みたいなことにはなっていなかった。
悪者が死んだ世界がなんでこんなことになっているの?
答えが欲しくて人形の彼を見た。
「これは一体何?」
夢なの?現実なの?
死んでしまった私にはこれが何なのか全く見当もつかない。
「アナタが生きていた世界ですよ。見ればわかるでしょう?」
人形の彼はその笑みを崩すことなく私に答えた。
そしてこう続けた。
「あーあ。世界、滅んでしまいましたね?アナタのせいで」
「は?」
……なんだって?
人形の彼からとんでもない言葉出てきたことにより私は眉間にそれはもう深いシワを寄せた。