2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
「龍、アナタにとってこの世界は2回目?」
回りくどい言い方はしない。そのまま龍に今の状況を確認してみる。
すると…
『なるほど。そう言われれば全ての辻褄が合うな』
と、納得したような龍の声が聞こえてきた。
龍の言い方的に2回目だとは思っていなかったようだ。
「龍の状況を説明してくれる?私も…」
私の状況も説明する、と言おうとしたが私はそこで言うのを一旦辞めた。私の状況は神様の力も関係していることもあり、説明しても良いのかわからなかったからだ。
『私のこと話さない方がいい?』
『…そうですね。彼はこの2回目の世界の中では明らかに異質。彼の話を聞いて判断した方が賢明でしょう』
『わかった』
とりあえず頭の中で神様と協議した結果、私の状況を今すぐ龍には伝えないという方向で話がまとまる。
「んんっ!私も、ではなく!私は!知りたい!です」
方向性がまとまったので、途中まで出かけてしまった話題を何とか逸らそうと大きく咳払いをして私は先程の自分の言葉を訂正する。
自分でも強引な誤魔化し方だなとは思うが仕方ない。ものすごく不自然だが、これで許してくれ、神様。
『…ふっ、そうか。わかった』
だが龍はそんな私の態度を不審がる所か、龍と過ごしていたあの頃のように優しくおかしそうに応えるだけだった。