2度目の人生で世界を救おうとする話。前編






『朝、昼、晩、1日3回俺の所に毎日来い』

「ん?」


変わらず淡々とした龍のとんでも提案に、私は相槌を一旦やめ、その言葉の意味を考えた。
だが、そんなに難しいことでもないので考えはすぐにまとまった。


「えっと、私の聞き間違いじゃなかったらだけど、1日3回もここへ来いって言った?しかも毎日?」

『そうだ』

「何でよ!」

『先程も言っただろう。お前を守る為だ』

「いやいやいや!」


冷静に龍に確認してみれば返事は至極単純だった。
その答えに対して私は納得いかず、ツッコミを入れてみるが龍は相変わらずだ。

おかしい!おかしい!おかしいって!


「めんどくさいです!そんなことが私を守ることには繋がりません!」

『異論は認めない』

「認めてよ!普通に生活してたら無理だからね!?」

『俺の為に無理をしろ』


私が拒否すればそれを龍が拒否するの繰り返し。
龍は本当に俺様でこうだと決めたら自分の意見を滅多に変えない性格故この論争も終わりが全く見えない。


うゔーっ!どうすれば!
でも普通に無理だからね!


「じゃあ、これはどう?毎日会いに行くけどせめて1日1回とか」


私は龍に向かって笑いかけた。微かな希望も込めて。

そしてまた龍への説得が始まったのであった。
先程とは全く違うことで。









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