2度目の人生で世界を救おうとする話。前編





「何で朱は俺の部屋にいるの?」

「え?だって今日はこれから僕がずっと兄さんのそばにいて、兄さんのお世話をするんでしょ?」

「…あ」


パッと朱から離れて疑問を口にすれば朱はきょとんとした愛らしい顔でそう答え思わず私は声を漏らす。

すっかり忘れていた。そういえばそういう約束をして1人で今日は外出することができたのだった。


「そ、そういえばそうだったね」


忘れていたことなんてバレないように朱ににっこりと笑う。
だがしかしずっと一緒にいるという意味はわかるが〝お世話〟とは何をするのだろうか?
普段から半分くらい朱にお世話されているようなものだし何が変わるのかよくわからない。


「それじゃあ、外から帰って来たことだし、部屋着に着替えよ?」

「そうだね」


お世話について考えていたが朱にそう言われて私はとりあえず着替えることにした。

その為に朱が部屋から出るのを待つ。


「じゃあボタン外すよ」

「え」


朱が部屋から出るのを待っていると朱は部屋から出ることなく私のシャツに手をかけた。
困惑している私なんて無視してボタンを一つ外す。


「ちょ!ちょっと!朱!?」

「ん?」


訳がわからなくて朱の名前を呼ぶと可愛らしい顔だがどこか色気のある表情で朱が私を見つめて来た。







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