2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
そして私を変なものを見るような目で見る。
その視線をそっくりそのまま返したい。
「な、何で、わ、わた、お、俺のボタンを朱が外しているの!」
「僕がお世話する為、でしょ?今晩の兄さんは僕がいないと何もできないんだよ?着替えるのも、食事をするのも、お風呂に入るのだって。ぜーんぶ僕がするの」
「…っ!」
朱に困惑をぶつければ朱がくすりと笑って2個目のボタンを見せつけるようにゆっくりと外した。
その大きな瞳には何故か仄暗い影が落ちているように見える。
お世話ってそういう…。
「や、やめて、恥ずかしい」
「大丈夫。僕たちは男同士だよ」
約束したとはいえ耐えきれず必死に訴え、朱を止めようとするが、朱は止まらない。
またゆっくりとボタンを外す。
くぅ…。どうすれば。
抵抗しようと思えばできた。だが、約束もあるし、相手は朱だし、何よりパニックになって冷静な判断ができない。
気がつけばボタンは全部外されており、手際良く上の服を脱がされた。
「しゅ、朱。げん、かいだから」
恥ずかしくて白旗をあげたがダメだった。
さらしを隠す為に着ていたタンクトップも抵抗虚しく脱がされる。
そして私の上半身はさらしだけになってしまった。