2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
今回の任務内容は街で若い女性ばかり殺して体の一部を奪う妖の発見、退治だ。街の範囲は絞られており、あとは妖を誘き出して退治をするだけ。
なので妖を誘き出す為にも今回の服のテーマは妖が襲っている対象である10代半ばから後半にかけての女子だった。
1番手っ取り早くその年代に見せるのは制服だ。
だから私は前回と同じように無難な女子高生の制服と適当に選んだウィッグを持ってきた。
琥珀も前回と同じように制服一式を持ってくるだろう。
と、思っていたのだが。
「…何、それ」
「?見ればわかるだろう。服だが」
「いやいやいや」
表情を思いっきり引き攣らせている私をおかしなものを見るような目で見る琥珀の手には大量の服たちとおそらくウィッグが入っているであろう大きな紙袋が。
試着室の前で琥珀と落ち合えば前回とは全く違う姿で現れたので私は驚きで固まってしまった。
何故そんなに大量の服を?
制服でよくない?めんどくさがりでしょ、琥珀は。
そんなに試着してどうするの。
「大量だね…」
訳こそわからなかったが試着するのは琥珀なので私は関係ないとし、制服セット一式を抱えて試着室に入ろうとする。
だがしかしそれは叶わなかった。
「待て。これは全部紅のだ」
「はい?」
腕を琥珀に掴まれて止められてしまったのだ。
無表情なまま謎の言葉を添えて。
全部?私の?