2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
そう考えると私の服選びを私より真剣にしていたことも何故なのか頷ける。
自分を大切にしろと言った理由も。
女の子だから。私は琥珀の中では女の子なんだ。
「…っ!」
ポーカーフェイスは得意な方だ。だがそんな可能性を考えてしまうと顔から火が出そうな程恥ずかしくなる。
いや、え!いや、え!!?ええ!!??
『紅は本当に意地っ張りというか何というか』
「っ!神様!?」
恥ずかしさで死にそうになっているといきなり神様が私に話しかけてきた為、私は1人で驚きで叫んでしまった。
そんな私を見て琥珀が「?」と疑問の視線を投げかけてきたが、私はあくまでも平静を装って「神様が作ったような神々しさ!」と苦し紛れの言い訳をしてマグカップを掲げた。
自分で言ってなんだが本当に意味がわからない返しだ。
『何!急に!心臓に悪いんですけど!』
『ふふっ。それは申し訳ないことをしました。ですがアナタがあまりにもいじらしいのでつい…』
今度こそは口には出さず心の中で神様に怒れば神様がおかしそうに、全く私に謝る気ゼロの言葉を返す。
楽しそうにニコニコ笑っている神様の姿が見えなくても簡単に想像できる。