2度目の人生で世界を救おうとする話。前編
なんて可愛らしい女の子なのだろうか。
例え男の子に見せようと髪を短くしても、男の子のような服装にしても、どんなに形だけ足掻いても、紅は紛れもなく女の子なのだ。
だから俺は紅に〝これ〟を渡したくて四葉のクローバーを探すことを二の次にした。
「…?なに?」
俺に無言で頭の上にシロツメクサの花冠を頭の上に乗せられた紅が不思議そうに首を傾げ、こちらを見る。
「…はなのかんむり」
「おはな?」
そんな紅に対して簡潔にそう答えると紅はまた不思議そうに俺を見つめ、自分の頭に乗せられている花冠に手を伸ばした。
「…かわいい」
花冠を手に取ってそれをまじまじと俺の目の前で紅が見つめる。
先程のテンションの高い声とは違い、小さな声での感想だったが、紅はまるで宝石を見つけたかのようにそれをキラキラと輝いた目で見つめ、さらに頬を赤くしながらも嬉しそうに微笑んだ。
一目で花冠を気に入ったのだとわかるリアクションだ。
気に入ってくれるだろうとは思っていたがこんなにも喜んでいる姿を見るとこちらも嬉しくなり、胸がとても温かくなった。
「ありがとう。これはこはくがつくったの?」
「そうだ」
「すごい!わたしもつくる!」
自分の頭に再び花冠を乗せ、こちらを見つめる紅の疑問に答えれば今度は期待で満ちた紅の目がこちらを見つめてくる。
「じゃあいっしょにつくるか?」
「うん!」
特に嫌と言う訳でもないのでその期待に答えると紅はいつものように可愛らしい笑顔を俺に向けた。
そして四葉のクローバー探しは終わり、今度は花冠作りが作りが始まったのであった。