一途な恋とバックハグ
佑side
「今言ったこと、しっかり確認してから持ってこい。いいな」
「はっはい!」
部下の不十分なデータ資料を突き返しいつものようにじろりと睨みを利かせると震え上がった奴がびくりと一瞬固まる。
怖がられてるのは百も承知でいつもの事だと気にしない…はずなのに、刺さる視線が気になってついらしくない行動に出てしまった。
「…もう少し精査すればわかりやすくなる。次に期待してる」
やんわりとそういって口角を上げ部下を見上げた。
ぴくぴくとぎこちない表情だと分かっちゃいるがこれが限界だ。
「は、はい!ご期待に沿えるよう頑張ります!」
部下は目を丸くした後、晴れやかな顔でそう言うと自席に戻って行った。
フッと小さくため息を吐き、まだ突き刺さる視線と目を合わすとふにゃりとした笑顔がそこにあった。
おい、こんなとこでそんな顔をするな。
にやけてしまうだろが…。
緩みそうな頬にグッと力を籠めて引き締めるとパソコンに視線を移す。
自分がこんなになるとは思いもしなかった…。