浅葱色の約束。
「同じ場所で寝て同じご飯を食べて、毎日一緒に笑って泣いて過ごしてれば……それはもう家族になれちゃうのよ。
───例え血が繋がっていなくてもね。」
ハッと顔を上げたとき、その人は優しく目を細めていた。
最初からわかっていたのだ。
私が土方さんの子供じゃないってこと。
それなのに最後まで騙されたふりをしていてくれた。
「あなたは堂々と生きなさい。きっと、歳三や総司は必ず守ってくれるわ」
家族ってそんなものだから───。
「あの子達は1度決めたことを簡単に曲げるような男じゃない。…あの2人を頼むわね」
その背中をずっとずっと見えなくなるまで見送った。
強さを具現化させるなら、きっとあの人に
なるんだろう。
その日の帰り道はいつもよりキラキラ輝いていて、少し道草を食って帰宅した私を出迎えた声はいつもより優しいものだった。
門の前に立つ3人の影。
「おかえり。…色々悪かったな」
「今日は大活躍だったね。ご飯用意してあるよ」
「見送りご苦労だった!なにか危ないことは無かったか?」
───毎日一緒にいれば、それはもう家族になれちゃうのよ。
「───ただいまっ」