浅葱色の約束。
僕は別に謝ってほしいわけじゃないのに。
どんなときも、この人は僕には甘い。
前にも言ったけれど、まだ子供だと思ってるに違いないのだ。
寂しい思いは…確かにしていたかもしれない。
「あの子にも…俺は一番聞かせたくない言葉を聞かせてしまった」
数日前の出来事は僕と近藤さん、そして土方さんしか知らないこと。
誰にも喋るなと土方さんは口止めをして、それ以来梓の前でもこの話はしない約束。
孤児ということだって初めて聞いた。
土方さんも近藤さんもどこまで知っているのか分からない。
「…目の前であんな言葉を聞かせて、俺は全く何をやっているんだろうな」
「そんなことないですよ。梓は…、近藤さんのことが大好きですから」
だって僕だって同じだったんだから。
だからこそ「守ってあげなきゃ」と思った。
どんなに酷い言葉を浴びせられても表情ひとつ変えない少女の横顔が、どことなく諦めを含んでいたから。
そんなことないんだよって、君は生きてていいんだよ、幸せになっていいんだよって。
そう言ってあげられたなら。