浅葱色の約束。
「まてー!」
「捕まえれるもんなら捕まえてみぃ!」
小さな子供は、町の人々の間をひょいひょい通り抜けるように追いかけっこ。
一見すると平和な町。
刀を差す人が歩いていても、子供も笑っていることがどこか不思議。
「…こっちの時代の方が好きだなぁ」
武家と農民。
かなりの差別があると聞いたことがあるが、あまりそうでもないんじゃないかと思った。
───のも、束の間。
「いってえなガキ!!」
走り回っていた子供は1人の男にぶつかってしまって。
男の腰には見慣れたあるものが差してあり、それだけで少年の目はみるみるうちに恐怖へ変わっていった。
「す、すみません…っ」
「誰にぶつかった思てるんや」
「か、堪忍してください…」
即座に男へと土下座。
すると少し遠くから母親と思われる女が駆け付けて、同じように血相を変えて頭を下げた。
「ここはどうか許したってください…!」