浅葱色の約束。




「坂本が梓を見る目は、まるで同胞を見つけた人みたいでした。土方さんもそう感じたでしょう?」



梓だって同じだ。
普通とは違う「何か」を持っている。

それは雰囲気か、物理的なものなのかは不明だけど。


そんな梓も坂本を見る目は、どこか同じようなものを見つめていた気がして。

だからこそ僕は自分側へと引き寄せていた。



「坂本が梓を斬らなかったのだって何か意味があるからだと思うんです。
なんか悔しいですね、そういうのって」



僕達とは違う───そんなものを引かれた気持ちになるから。


それは武士と農民の違いに似たものか、そうじゃないか。

坂本は武家の生まれであり土佐の浪人。



「僕、分からないんですよ梓のことが。
僕の知らないものをたくさん見てきているような気がするんです」



坂本だって同じだ。
僕達の知らない世界を見ようとしている。

自分が思った世の中を。


反対に僕達は上からの命令以外は動けない、不自由で縛られた組織。



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