浅葱色の約束。
「金輪際関わるな、なんて土方さんにしては厳しすぎませんか」
だから少しからかってみた。
土方さんは気付いていないかもしれないけど、あなたは梓に甘い。
そこにどんな感情があるのかは僕にだって分からない。
「渡したくないと思ったんじゃないですか」
だからせっかく周りと溶け込んできた少女に一番可哀想なことをしてまでも、ああ言ったんじゃないですか。
…なんて。
そこまで睨まれちゃそれ以上は言えない。
「───梓、」
縁側に座ってビー玉を掲げ、空を見つめる梓。
当たり前のように隣に座っても今では驚かれなくなった。
「さっきは怖い思いさせてごめんね」
ブンブンと首を横に振る姿に、少しホッとした。
「土方さんは誰よりも君のことが好きなんだよ」
涙目の少女の背中をポンポンと叩いて、優しく言ってあげる。
さすがに落ち込んでるよね今回も。
「あの人はどうでもいい相手には説教しないんだよ。そんな面倒なことをわざわざする人じゃない」
坂本には無理矢理ここまで連れて来させられたに決まってる。
それで理不尽に怒られたんだから。
また、友達を失っちゃったから。