浅葱色の約束。
それでも不思議と姿は事故が起きる前の状態だ。
横腹から出血もしていないし、頬に当てられたガーゼが少し痛む程度。
「…なんで……」
制服は昼間クラスメイト達に水を浴びせられたときに濡れてしまった為、ジャージ姿。
この姿だとよく男の子に間違えられる。
髪を伸ばしたことはなかった。
どうせ生意気だと言われて切られてしまうから。
「……ここは…どこなの…?」
あれからどれくらい経ったのか。
そんなこと、もう死んでるから気にしなくていいのに。
時間という概念だってここに来てしまえばきっと無いのだから。
もしかしたらここに暮らす人達は死んだ人ばかりなのかもしれない。
それでも誰も知らない場所に来れたことが何より嬉しかった。