浅葱色の約束。
目を閉じた梓は、ふふっと優しく微笑んだ。
少し照れたようにはにかんで。
それでまた、僕を見た。
「あ、あのね、良い人とか、悪い人とか……そんなのに当てはめられないくらいに……、だ…、大好き…」
あぁ、離せないよこんなの。
離せるわけがない。
土方さんもそうだ。
近藤さんだって僕だって。
僕達にはこの子さえいれば、それでいい。
きっといずれそんなものが新撰組の信念に、誠になるような気がした。
「───ですって、土方さん」
うしろに隠れている存在へ、わざとらしく声をかける。
「…え。」
それに気づいた梓は咄嗟に僕の背中に隠れると同時、ばつの悪そうな顔をした男が姿を現した。
「お、怒りに来たんだ土方さん…」
ボソッと背中で聞こえる呟きが本当に怯えていて面白い。
お説教終わったはずなのに…と、僕の着物をぎゅっと握っては身を隠してるつもりなんだろう。
「わっ…!!」
そんな梓に土方さんは近付くと、胸ぐらを容赦なく掴んでまっすぐ見つめた。