浅葱色の約束。
繋がり
1羽の雀は小さな足で助走をつけて、力強く地面を蹴る。
羽をはばたかせて、高く広がる青空の先へと飛んで行った。
「飛んだ───!」
鳥は飛ばなきゃ駄目だよね。
せっかく羽があるんだもん。
もう怪我しちゃ駄目だよ、ちゃんと家族を作って幸せになるんだよ。
そんな思いを込めて見送った。
「きっとチュン助も待ってくれている家族の元へ戻って行くさ」
「…近藤さん、私にも…」
「ん?」
「…ううん、なんでもない」
待ってくれている家族は、どこかにいるのかな。
家族というものは…私にもあるのかな。
「梓、家族は案外すぐ近くに居るかもしれないぞ?」
「……うん」
ぎゅっとその腕を掴めば、ポンポンと頭を撫でてくれる。
2度目の秋、茜色へと変わる木の葉。
そんな季節。
「…あ…れ…?」
体が透けていることに気付いたのは夕暮れ時だった。
手をかざして擦ってみても、薄い膜のように感じてならない。
ダンダンダンッ───!!
「誰か!!誰かおらんか!!!」
そんな聞き慣れた声に駆けつけたとき、既に沖田さんと土方さんの姿があった。