浅葱色の約束。




「咲が…!咲がどこにもおらんのや…!」


「どこか出掛けてるんじゃないの?」


「ちゃう!あいつは昔から病気がちだから1人で出掛けるなんてありえへん!」


「なにか手がかりはねえのか」



久しぶりに顔を合わせた朔太郎は、少しだけ身長が伸びたように感じた。

気まずそうに一瞬私を見つめたが、今はそれどころではない様子。


はぁはぁと息を上下させながら着物の懐から差し出した1つのあるもの。



「これが外に落ちてたんや…!あいつ、いつも持ち歩いてて…こんなこと今までなかった…!」


「…これ、“ビー玉”」


「そーじ知ってるのか!?」


「うん、梓から前に教えてもらったんだ」



3人の視線が集まると、改めて私の前に差し出される。

思わず私も懐から小さな青色を取り出せば、朔太郎は目を大きく開いた。



「どういうことや……、これは異国のもんやって、咲しか持っとらんかった玉やのに…」



2つのビー玉は同じものだった。



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