浅葱色の約束。
町へ歩いてみると、妙に周りがジロジロと珍しい者を見る眼差しを送ってきたこと。
「異国民か…?」
「おい、なんやあの身なりは…」
「まだ子供やないか」
だからこそ少しだけ怖くなって人の気配のしない道ばかりを歩いて走った。
そこに居る全員が着物や袴姿、本当に時代劇の中に来てしまったみたいで。
「どうして…?」
現代人がいない、と言った方が正しい。
ここはそういう場所なのか、そう自分で納得してしまえるのもまた私にしか出来ないことだ。
冷めてると言ったら少し語弊があるけれど、そこまで物事に執着はしない。
13歳らしくないと自分でも思う。
何かを見て胸を踊らせたり、深く傷付いて悲しんだり。
そんな感情の1つや2つが欠如しているみたいに。
「もう暗くなっちゃう…」
それからまたどれくらい歩いただろう。