浅葱色の約束。
「全く同じやん…」
「待って朔、ちょっと見して。…やっぱり梓の方が少し古い感じだね」
新品かそうじゃないかの違いほどの、ビー玉が2つ。
こんなこと滅多にない。
全く同じ色は珍しい。
似たような色はあっても濃さが違ったり、光に翳すと違いはハッキリ見えるのに。
なにより、この時代に存在していることがおかしい。
「頼む…!咲を見つけてくれ…!!」
はっ、はっ…。
だんだんと息が乱れていたのは朔太郎ではない。
気づけば袴は汗でびっしょりと濡れ、肌にまとわりつく髪。
「梓?───あつい…、すごい熱ですよ土方さん」
息が苦しい……。
ひんやりと冷たい沖田さんの手が気持ちよく感じてしまうほど。
透けたり直ったりを繰り返す体。
「お前…その体…、」
「はやく、早くその子を見つけないと…消えちゃう…」
「は……?」
失う命は1つじゃなく2つに増えてしまう。
土方さんを掴もうとした腕はスルッと透けて、だんだん頭痛も増してくる。
───消えるのは、私だ。