浅葱色の約束。




もしかして咲という女の子は、この朔太郎は。

私の遠い遠い先祖なのかもしれないと。



「消えるってどういうことだ」


「土方さん、掴めない…っ」



ほら、透けてしまう。

こうして手を伸ばしても、貫通して空気に触れるだけ。



「落ち着け、大丈夫だ。俺が掴んどいてやる」



掴めてない。
土方さんも分かってるはずなのに。


先祖であるならば、彼女が命を落とせば私も消えることは必然。

存在自体が無くなって未来に生まれないものとなる。


それだけで全てが狂ってしまう。



「いかなきゃ…!」


「おい…!」


「梓…!!」



あるポイントの場所にたどり着いたとき、ズキンズキンと痛みが激しく響くときがある。

それが私の先祖が近付いているという証なんじゃないかって。


ビー玉を握りしめて一気に駆け出す。



「朔太郎!てめえも来い!!」


「ま、待ってくれよ土方さんとそーじっ!!」



これで全てがわかるかもしれない。

私は誰なんだろうってずっと思っていたの。
身内がいる、ただそれだけで胸が高鳴った。


私のルーツはこんなところにあったのだ。



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