浅葱色の約束。




少女が生きれば、きっと未来で私は生まれる。



「梓…っ!!」



私ね、今までずっとどうして自分だけがって思ってたの。


どうして捨てられたのは私なのって。

どうしてお母さんじゃなくて、私が捨てられたのって。



「土方さん…っ!沖田さん……!!」



苦しい、息が出来ない。
痛い…、横腹が張り裂けそうだ。

どくどくと血の流れている感覚がする。


けど、言わなきゃ。




「“私”の…っ、先祖を助けて───!!!」




だんだん意識が遠くなっていく。

まだ深さはあまりなかったこと、それだけが唯一の救い。



「総司ッ!!回り込め!お前は右だ…!!」


「わかってますって…っ!!」



未来に繋がなきゃ。
私ね、生きたいの。

今までみんなを恨んできたけど。


咲という女の子を見た瞬間ね、一瞬だけ、赤ちゃんの頃に見た、


ほんの微かな記憶の欠片の中にある、



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