浅葱色の約束。




『梓ちゃん…、ママ馬鹿だねぇ』



馬鹿じゃない。
お母さん、お母さん。

あなたは1人で何を抱えていたの。


もし私がもう少し大きな姿であなたの傍にいれたなら、なにか変わっていたのかな。



『お父さんも居ないのに、お金もないなんて…っ、最低な母親だね、ママは』



どうして私を捨てたの、とか。
だったらどうして私を生んだの、とか。

聞きたいことはいつだってたくさんあったんだよ。


でも一番はね、あなたに抱き締めてもらいたかった。

いつだって1番はそれだった。


私はそれだけでよかったんだよ、お母さん。



『ごめんね……、ごめんね梓ちゃん…っ』



それでもあなたの小さな背中を見て。

誰かに抱き締められたかったのはお母さんも同じだったのかなって、少しだけ思った。


ねぇ、お母さん。


私を産んだこと、後悔してる───?



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