浅葱色の約束。
辺りは暗さを帯びてきて、街灯の無い町は既に月の光を求め始める。
時間は無いと思っていたのに…。
ぎゅるるるるる────…
それよりも気になったのは、お腹が空くことだった。
たくさん歩いたからもちろんどこも変ではないのだが、それでもここが死後の世界だったらそんなものは無いはずなのに。
昼間通り過ぎたうどん屋さんは、客からお金を取って提供していて。
ちゃんと需要と供給が成り立っていた。
泊まる場所だってない。
お金だってない。
このままでは地面に座る乞食と同じことをする羽目になりそうだ。
「お腹…空いた……」
地面に座って、どこからか拾った皿を目の前に置いて。
ただボーッと景色を眺める。
周りなんか気にせず、この平ったるい町、広い道の端っこで。
通り過ぎる人はチラッと見たとしても、足を止めようとはしなかった。