浅葱色の約束。
「…ウチら、なんか似てはるわ」
へへっと笑う咲。
コクコク頷いて、2人して涙を流した。
「ありがとう梓。ウチを助けてくれて…」
「うん…、よかった…」
たった1人の家族。
この時代で出会えた、私の先祖。
「そーじ……俺、」
「ん?なに、朔」
あれからあの男はどうなったかは不明だった。
それでもこの2人の兄妹が一緒に居るということは、きっとそういうこと。
家族を離ればなれにしてしまった罪悪感と、それでも兄は妹を選んだという安心感。
「…俺、新撰組に入りたい」
朔太郎の覚悟を宿した瞳は、揺るぎなかった。
「俺を新撰組に入れてください…!なんでもします、雑用でも厠掃除でも…!金なんか要らへん…!」
頭を下げて、じっと見つめる局長と副長を前にしたとしても少年は怯まない。
「立派な武士になって…それで、いつか必ず咲を迎えに行く」
咲は親戚の元へ、朔太郎はこの場所で隊士として生きることを決めた。
それでもまだ少年は13歳。
刀を持つには早すぎる。
元服するまでは沖田さんの小姓という約束の元、誓いを立てた。